意外に知られていない、それでいて最高にうまい 茶漬け |
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東京と言う町にはどれくらい居酒屋、料理屋などがあるのだろう? そのどこにもないのが鰺の開きの茶漬けである。誰でもやっていそうでありながら、意外にこれがどこにも見あたらない。 それでは茶漬けにできないというのか? そんなことはない。干物屋ではとてもありきたりな日常食なのだ。一日に何千というマアジを開く。いかに職人といえども失敗するのだ。そんなときに「しまった」なんて思わない。むしろ喜んで仕舞うのだから食いしん坊は面白い。失敗したとは言え、最上のマアジを、季節季節塩分濃度を変えて誰にも負けない開きを作っているのである。形が少し悪くてもうまくてうまくて仕方がないのだ。 それを職人は茶漬けにし、昼飯とする。材料は干物屋らしく鰺の開きだけ。湯を沸かす、開きを焼く。焼いた開きをばらして身だけをとる。これを飯の上に置く。残った骨や皮は片口などに入れて熱湯をそそぐのだ。後は簡単、そのだしを飯にぶっかければいいのだよ。好みで三つ葉かわさびを添えるべし。 干物職人はこれぞ日本一の茶漬けと思っているのだ。 カネマル笹市が提案する干ものの食べ方 ●カネマル笹市 干もの話目次へ |
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